豆知識

公開日:2025.11.01

多くの自動車学校が導入している「オンライン学科」について

【オンライン学科教習が始まった経緯】

コロナ禍による教習停止(2020年春)

  • 2020年(令和2年)春、新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国の自動車学校が一時的に休校・受講制限を実施。
  • 対面での学科教習が困難になったことで、感染防止と教習の継続を両立する方法として、オンライン授業の導入要望が全国的に高まりました。

警察庁による特例的な認可(2020年12月)

  • 2020年12月、警察庁が「学科教習のオンライン実施」を条件付きで認める方針を発表。
  • 当初は、限定的な教習所で**実証実験(試行)**として導入が始まりました。
    • 対象は主に「第一段階・第二段階の学科教習(仮免・本免の座学部分)」です。
    • 技能教習(運転練習)は、当然ながらオンラインでは行えません。

本格導入へ(2022年〜2023年)

  • 試行結果が良好だったため、2022年以降、警察庁は全国的な導入を認める方向に。
  • 2023年には多くの都道府県で正式に「オンライン学科」が導入され、
    • 「Zoom」や「Teams」などのリアルタイム配信(ライブ方式)
    • または録画された講義を受けるオンデマンド方式
      のいずれかが採用されています。
  • 学校によっては「eラーニングシステム」や「専用アプリ」で受講・出席管理を行うようになりました。

現在(2025年時点)

  • 現在では、全国の自動車学校の多くがオンライン学科に対応済みです。
  • ただし、各都道府県の公安委員会(免許行政を管轄する機関)によって細かい運用ルールが異なります。
    • 例:録画視聴の上限回数、本人確認の方法(顔認証・カメラON義務など)
  • 教習内容の性質上、オンライン学科が実施できない項目もあります。

背景にある3つの目的

  1. 感染症対策(非接触型授業)
  2. 教習の効率化・柔軟化(自宅で受講可能)
  3. 人材不足対策(地方・小規模校の負担軽減)

オンライン学科教習のメリット

自宅で受講できる(時間の自由度アップ)

  • スマホ・パソコン・タブレットがあればどこでも受講可能。
  • 教習所までの移動時間が不要になり、通学やアルバイトとの両立がしやすくなる。
  • 特にオンデマンド方式(録画配信)では、自分のペースで進められる。

 例:学校や仕事の後、夜に自宅で受講 → 翌日技能教習に行く
というスケジュールが可能になります。


混雑・感染リスクの軽減

  • コロナ禍以降、対面授業の密集を避ける目的で導入。
  • 現在でも「体調不良時は自宅で受講」など柔軟に対応できる。

教習の効率化・復習しやすい

  • システムによっては、学習履歴や理解度テストが自動記録される。
  • オンデマンド型では、苦手な単元を何度も見直せる。
  • 紙の教材よりも動画・図解が多く、視覚的に理解しやすい。

教習所の負担軽減・地方でも受講しやすい

  • 教官の授業時間を効率化でき、地方や小規模校でも質の高い学科を提供できる。
  • 特に、教官不足に悩む地域では大きな助けになっています。
  • オンライン学科が普及されるまでは、たった1時間の授業のために、わざわざ教習所まで行って授業を受けなければならなかったが、通う手間が省ける。

オンライン学科教習のデメリット

自己管理が必要(サボりやすい)

  • 教習所に通う「強制力」がないため、受講を後回しにしてしまう人も。
  • 定期的に視聴を進めないと、技能教習が進められなくなる場合もある。
  • 学科を終えないと仮免許試験を受けられません。

通信環境や機器トラブルのリスク

  • ネット接続が不安定だと「受講記録が残らない」などのトラブルが発生することがあります。
  • スマホの充電切れ、Wi-Fi切断なども要注意。
  • 授業は50分ですが、47分まで受講して切断された事例もあり、その場合でも最初から授業を受け直す必要があります。

対面の緊張感や質問しやすさが減る

  • 教官に直接質問したり、他の教習生と交流する機会が減る。
  • 集中力を維持するのが難しいと感じる人も多いです。
  • 一部の都道府県では、学科26(応急救護やディスカッション系)は対面必須。

システムの違いによる不公平感と苦痛

  • 教習所によって「ライブ方式のみ」「録画OK」などルールが異なる。
  • 都道府県公安委員会の認可状況によっても内容が違うため、転校時に引き継げないことがある。
  • 50分もの間、映像を見続けることは肉体的・精神的にかなり辛いという声をよく聞きます。

オンライン学科教習の主な禁止事項

本人以外の受講・代行受講

  • 他人に代わって受講させる行為は厳禁です。
  • 顔認証・カメラON・本人確認コードなどで、本人確認が行われます。
  • 発覚した場合、教習無効・退校処分になることがあります。

例:兄弟や友人に代わりに視聴してもらう → 即アウト(不正受講扱い)


カメラOFF・顔が映らない状態での受講

  • ライブ配信型の場合、常時カメラONが原則。
  • 顔が見えない、途中でカメラを切る、他の作業をするなどは受講認定されません。
  • 一部のシステムでは、AIで定期的に顔確認を行う仕組みもあります。

他のアプリや動画を同時に開く

  • 授業中にスマホでSNS・YouTube・ゲームなどを同時起動するのもNG。
  • 画面切り替えが検知された場合、その時間の出席が無効になることがあります。
  • 学科教習は「学習時間としての集中」が必要条件です。

途中退出・放置・居眠り

  • 授業中に席を離れる・放置する・寝るなどの行為も受講無効。
  • 監視カメラやランダム質問(確認ボタン)でチェックされる場合があります。

録画・録音・スクリーンショットの禁止

  • 教官の著作権やプライバシー保護のため、
    講義内容の録画・録音・撮影・SNS投稿は一切禁止されています。
  • 違反すると法的措置を取られる可能性もあります。

他人との共有・グループ視聴

  • 一つのアカウントを複数人で使う、友人と一緒に画面を見るなどもNG。
  • 受講記録は「本人のログインIDと顔認証」で一体管理される必要があります。

虚偽報告・改ざん

  • 学科終了報告や出席記録を虚偽入力する行為も禁止。
  • 不正が確認されると、その学科は未受講扱いになり、再受講が必要になります。

違反が見つかった場合の処分例

  • 学科の受講無効(再受講命令)
  • 一時受講停止や退校処分
  • 不正報告が重度の場合、公安委員会への報告 → 免許試験受験資格に影響する場合も

安全に受講するためのポイント

  • 受講前に カメラ・マイク・通信環境を確認しておく
  • 指定された端末(スマホ・PC)で1人で受講する
  • 指導員や学校の案内メール・マニュアルをよく読む

まとめ

項目メリットデメリット
受講の自由度自宅・好きな時間に受講可能自己管理が難しい
教習の質視覚的でわかりやすい教材教官への質問がしづらい
通学面通学不要・感染リスク減通信環境に左右される
教習所側の負担教官の負担軽減・効率化システム導入コストが高い